■ 第九回 茶畑編 インドの旅 Assam T
今回の旅は、作る国茶畑編です。
過去にスリランカ、中国、台湾、日本の茶畑を色々見て旅をしてきました。
イギリス人の開拓した茶を作る国、インド、スリランカ、ケニア(アフリカ)、そしてオランダが開拓したインドネシア。私のお茶の旅は、まだまだ終わりがありません。その中でも以前、インドでの茶園訪問はダージリンだけでした。政治的な問題でアッサムは、なかなか治安的な問題があり残念ながら、行っていませんでした。
そのアッサムに今年の4月行くことができました。世界三代銘茶、ウヴァ、ダージリン、祁門をクリアーし、その次の課題として、中国種、アッサム種の2大原種である、アッサム種の故郷へ!と思いをはせて今年の旅はアッサムへ。
後はニルギリ〜ケニアに行きたいね!と同行してくれたお茶の友人と次のお茶の旅の話をしています。世界のお茶はまだまだ果てしのない旅です。
もっと詳しくは、メルマガからどうぞ!⇒ http://www.melma.com/backnumber_98197/
アッサムは、チベットからベンガル湾に流れている、ブラマプトラ河流域に広がる広大なデルタ地帯で、北にはヒマラヤ山脈がそびえ、ナガヒル、アッサム高原を経て、バングラディッシュに続く、紅茶の産地です。
インドの紅茶の生産量の3分の2を占め、世界一を誇っています。3〜6月は乾期に入り、6〜10月は雨期、11月〜2月は涼しくて乾いた気候です。今回は3月末から4月熱さを覚悟して行ったら涼しくて驚きました。気温や雨量に恵まれているためイギリス人の手により1836年より茶の栽培が始められました。1839年にはアッサム・カンパニーが設立されアッサムに多くの茶園が作られ現在では850茶園あるそうです。
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ディブルガルのウエルカムティ
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まず、デリーから飛行機で2時間の町、ディブルガルに行きました。
この町のホテルでウエルカムティを用意してくれました。ちょっと驚きのお茶のセットでこれから何が始まるのかとっても興味深いお茶のおもてなしでした。
右を見てください、茶漉しが置いてありその前に茶葉とスプーンがあります。お客様の前でカップひとつづつ茶漉しに茶葉をいれ、魔法瓶のお湯を上から注いでくれます。
そしてカップの中に茶漉しを浸しこみしっかりと茶葉を抽出します。そして引き上げこの茶葉は一回で捨てます。
カップに砂糖とミルクをいれてアッサムのミルクティができ上がりです。ティバッグでなく産地ですからたっぷりと茶葉を使いおもてなしに淹れてくれました。
町のチャイと違い特別なことをしてくださったようです。ちょっと驚きました。
日本的に間違っているとかいう問題でなく(日本のおすし屋さんの多くも粉茶で作るあがりが多いですから!)現地の人用でなく外国のお客用に淹れてくれる方法のようです。
ガイドのポールさんは不思議でなくちゃんとこの淹れ方を説明してくれていました。ところ変われば!!です。
| インドのお菓子 |
伝統菓子は大変それぞれの国の文化が感じられ一番興味があります。
いまどこの国に行っても国際化が始まり、不自由はなくなってきたかも知れませんがその国を訪ねる楽しさが半減したように感じます。
インターネットの発達のおかげでいろんな事を日本に居て見たり発見したりしそれでそこに行くことができます。
知らない国の物を見つけられて便利ですがその反面どこも情報過多で同じようなものを作ったりするので自国の伝統的なものをあまり大事にしなくて国際レベルの商品を取り入れたりします。
私はどこの国に行っても現地の人に聞き西洋菓子でなく伝統菓子の店を聞き良く行きます。
| ジャイプール茶園 |
到着した日は午後から出かけると目的のジャイプール茶園(スコットランド人のC.A.ブルースが、アッサムカンパニーの指示で管理していた茶園です。)に行くには帰りが遅くなるのであまりよくないということで次の日の朝に出かけました。
この風景はとてもアッサムらしい茶摘の風景です。
頭の上に丸く髪の毛を束ねそのところから茶摘の袋をかけて茶摘をします。
ガイドのポールさんの話だと昔はみんな先の細くなった竹篭を背中に下げていたそうです。
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シェイドツリーが並ぶ茶園
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シェイドツリーがきれいに並んでいます。
これは茶の樹に日差しが強くないように日陰樹として植えられます。
ねむ科の樹で葉が落ちると茶園の肥料になり両方の意味で茶園に植えられているそうです。
この茶園は有名なジョルハットT.Eで、残念ながら目的のジャイプール茶園は、デジタルカメラのバッテリー切れで写真を載せられません。
この茶園をご紹介してくださった名古屋のリンアンさんのHPに詳しく紹介されていますので是非お邪魔してくださいね!
→ http://liyn-an.com/india/t04.htm
ジャイプール茶園には1836年の中国種の茶畑がメモリアルで残っていると聞き、福建省から伝わった中国種とブルース兄弟が見つけたアッサム種その両方をイギリス人がプランテーション計画でこの地方にお茶の大量生産を始めた大英帝国紅茶の始まりの地へ行きたくてこのアッサムの旅を計画しました。
VIDEOに収まっているのですがごめんなさい!!
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ビンロウ樹の実とキンマの葉 |
アッサム地方では、お茶を飲んだ後、キンマ(現地では、パンといいます)の葉の中にエリカナッツ(檳榔・ビンロウの実)を熟させて割、石灰と一緒に巻いたものを噛みます。
紅茶とコンビネーションのようにお茶の後必需品のような方がたくさんいました。
人によってはタバコの葉や白壇の樹(香木)を一緒に巻いたりもします。それを噛んで楽しみます。
ですから朝や夕刻チャイ屋さんの直ぐ横にセットのようにパンの店がならんであります。
台湾のビンロウはタバコの箱のようなものにきれいに10個並べて国道沿いで販売されていますが、ここではひとつづつ巻いて売っていました。
スリランカと同じく葉をきれいに束ねて並べて販売しています。
| BRAHMAPUTRA RIVER(ブラマプトラ河)の魚 |
DIBRUGARH(ディブルガル)の町の散策中。市場の中を歩いていると私を呼ぶ人がいます。
何かとついていくとこの大きな魚を写真で取ってほしいというのです。
今回の旅行は5名で行ったのですが、たまたま私だけがデジタルカメラだったので写真が確認できるのでとってほしかったようです。
この後が大変でいろいろなものを販売している人がみんな呼びかけてきます。写真本当に好きな人たちです。
アッサム人はとても親切で気さくでちょっとカルカッタや大都会のデリーの人たちとは国民性が違うように感じました。
でもこの魚、川の魚にしては大きいですね。
このブラマプトラ川ははるか彼方チベットから長い道のりでこのアッサムをとおりベンガル湾にたどり着く大きな川だからでしょうかね??
| アッサムの茶の樹の新芽 |
ジョルハットという町にある、「トクライ ティ リサーチセンター」を訪問しました。
この写真は、ここの庭にある研究用のアッサム種の新芽です!とっても芽が大きいので驚きました。
ここでもまたアッサム種の発見の話を聞くことにしました。
リサーチセンターでは、中国種 Camellia Sinen-sisとアッサム種 Camellia Assamica、そしてミャンマーの南で発見されたもう1種の茶の樹 Camellia Cambodiensis このセンターでは,この3つの茶の品種から色々な組み合わせで、かけあわせ約1000種類以上の品種を作ったそうです。
良いものを残してきて現在154種類ある。そのあとクローンで増やしていくそうです。
今アッサム種として30品種改良品種があり今年中に1種、そのあともう1種計2種類加わるそうです。
| とても環境の良い研究所 |
茶の樹だけでなくこんな環境の良いところで育てればとてもいいものができそうな環境でした。
しかし驚くほど湿気が多く、雨季はどんなだろうと考えさされてしまいました。
このセンターは1911年にできたそうですがとっても素敵な欧米風のマナーハウスのような建物でした。
ここのゲストハウス是非次回は、ここのセンターのゲストハウスに泊めていただきたいと思っています。
| 手つくりのお茶 |
このトクライの茶業研究所と一緒にお仕事をされている「茶の樹の種」を育てている方のお家を訪ねてきました。
ここは3-4メートルもあるおおきな茶の樹が、1000本のが植えられていて年間に1ユニット20Kgの種が入っている箱が150ユニット計年間で約3t出荷しているそうです。
20Kg1ユニットで4000個の種が入っているそうなので、気が遠くなる数です。
そこの茶園で多くの人たちが働いています。
この人たちは昔からの手作りのお茶を飲んでいます。
アッサムの地域の下のほうにあるMANIPURの下のMIZORAMにある「LUNGLAI」は、手作りのお茶をまだ作っているとガイドのBUBUさんに聞きました。
ここでも、またそれと一緒かどうかはわからないが手作りのお茶を作っていると聞きそのお茶を見せていただき分けてもらって、帰ってきました。飲むのが楽しみです。この写真のお茶です。
| 憧れの「MAUD TEA ESTATE」 |
私には思い出深い「Maud 茶園」。1988年の創業からメランジェで扱ってきたアッサムの茶園で、今回のアッサム行きのもう1つの目的となった茶園です。
やっと来れて思わず勝手に茶園の茶を摘み始めてしまいました。
あいにくMaud 茶園のマネージャーがカルカッタに行っていて留守で工場は見れませんでした。
私達の体と新芽の大きさを比べてください。本当に大きな新芽でしょう!大きいのは18〜20Cmありました。
良く本で見るとアッサム種は30cmくらいと書かれていて、今まで大きな葉を見たのはスリランカのウヴァの茶園で下のほうの葉が20cmくらいのを見たことがあります。
しかし新芽がこんなに大きいので一緒にいった人たちも大変驚きこのようにみんなで押し花用植物採集が始まりました。
色々書きたいことがあります、アッサムはインドというよりちょっと違う民族色のある文化の香りがします。
一回では理解はとてもできませんが次回はアッサム州都のゴハティを紹介します。
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