■ 第十二回 インド ダージリンのグムテ茶園のマネージャー!

ラ・メランジェでは2004年 夏、ダージリン・セカンド・フラッシュからインド・ダージリンの有名茶園グムテ茶園と特別共同企画で厳選した紅茶を販売することとなりました。
  この茶園に25年近く勤めているマネージャー Mr.Maharshi(マへーシュさん)がメランジェのために特別厳選して限定商品が届きます。今回4種類のお茶が選ばれました。ぜひ楽しみにしてくださいね!

そこでこの「お茶の旅 インド茶畑編」にこのマネージャーのお仕事振りをご紹介しようと思っております。 大変仕事熱心で厳しい商品管理がこのダージリンで5本の指にはいる有名茶園を作り上げていると思います。ではまずはマヘーシュマネージャーの仕事を紹介させていただきます。



茶園で働く女性たち!
朝の7時の始まり時間、ティ・ファクトリー前にて。

このころマネージャーの仕事が始まります。朝7時半ごろファクトリーに出勤して一日の仕事が始まります。

この写真は女性ばかりですが男性も茶摘をします。私が取った他の写真は若い男の子も写っています。



グムテ茶園のティ・ファクトリー
右の部屋がティスティング・ルームです。ここでマネージャーは毎日出来上がる紅茶のテスティングをここでしています。

グムテとマスカテル・ヴァレー茶園の2つの茶園のお茶がこのファクトリーで生産されています。オーガニックの茶園のマスカテル・ヴァレー茶園とオーニックで無いグムテ茶園のお茶は、それぞれ別の機械で製茶されます。



出来立ての紅茶の審査をする、マヘーシュ マネージャー
毎日たくさんのお茶をペーパーの上に乗せてまず茶葉の色を確認、茶葉の撚りを確認、乾燥された茶葉の香りを確認しそれらをカップテストします。抽出した後の茶葉も色、香りをまた確認!

お茶のティステイングは色々なところで行われています。カルカッタの販売会社でも、インドから送られてくるそろぞれの国でも、ブレンドするときもテスティングされます。しかしここでは紅茶が出来上って一番最初に審査されます。ここでのテスティングは、大変重要な仕事で、お茶を売るための味の確認と製造するための今後のお茶の生産の参考のために大事な役割をします。この結果がずーっと茶園のデーターとなりレコーディングされたデータが茶園のお茶の味を作っていきます。そのための審査は大事なマネージャーの仕事です。経験で判断していくわけですから....。



念入りなミーティングが随時必要
ファクトリーのスタッフと本当にこまめに打ち合わせをされているマネージャー。

私が訪問しているときも数分ごとにローリングの機械の中から揉念された茶葉が持ち込まれマネージャーの指示を仰いでいます。めまぐるしいほど入れ替わりで大忙しです。
このように倭凋の状況でローリングの圧力や揉念時間の長さなど日々異なります。

ここでは2つの茶園のお茶を製造しているので休息日が違います。それでマネージャーに質問しました、「何時、マネージャーは休みですか?」 マヘーシュさん曰く オータムなるが終わったら休みが取れる。 私にはとっても勤まらないと思いました!!



ティスティングの準備
ティスティングの準備はアシスタントの方が抽出し、マネージャーは出来上がったらこの場所に立ち仕事を始めます。

毎日出来上がるお茶の審査を一人で全てマネージャーがテスティングされます。
これが一番重要で味をレコーディングしていきます。
何年もの今までの膨大なデーターが次のお茶を作る大事なデータとなっていて大切な資料がマネージャーの部屋に保管されていました。

紅茶をブレンドする会社のティ・テースターは、ブレンドするための材料として味を分析しオリジナルのブレンドを混ぜるために購入するお茶の鑑定をしなければなりません。これもまた大変な仕事です。同じティ・テスティングといってもまったく違う視点で鑑定しなければなりません。茶園の場合はこんな環境の時茶葉の状況がこんなときどんな作り方で作ってこんなお茶になったということを分析し記録します。ちょっと違いますね!



ピカピカの工場
大変きれいに掃除されているファクトリーの中。
床など輝くように磨きこまれている。これは日本茶などでもいえることですが、新しい、古いは工場が建った年代で異なりますが、仕事場が整理整頓されている工場は色々なところに気配りが行き届いていて製品にも同じ気配りを感じます。
これも管理するマネージャーのひとつの役割と私は考えています。新しくても汚いところ古くても磨きこまれたところ、インド、スリランカ、中国、台湾などさまざまな国の大小のファクトリーを見てきましたがグムテ茶園とジュンパナ茶園は本当にきれいに整頓されています。



セカンド・フラッシュの時期のグムテ茶園の中国種の茶の木
大事な今回の訪問は、ダージリンのマスカテルフレーバーの時期の茶畑のウンカという虫を見たかったのと、茶園のウンカ芽を確認することです。
ここ何年も台湾の端午節にウンカ芽で作る「東方美人」の時期に台湾を訪問していますが今年はフランス出張の途中トランジットでダージリンに行きました。

マスカテル・フレーバーのもとといわれている「ウンカ芽」は、うんかという害虫が新芽の葉の汁を吸い何らかの事情で葉から植物反応で分泌物を出すのか?脱水症状で発酵が始まるのかさまざまざまな研究がされていますが今のところはっきりとした原因は発表されていません。この葉で台湾では、東方美人というウーロン茶をつくります。



写真では確認できませんが・・・
4月ファーストフラッシュの時期のこの茶園を訪れ、5月終わりに「ウンカ」が沢山いると聞き茶畑に繰り出しました。

写真の下のほうにある木の棒は、マヘーシュ マネージャーが私に「ウンカ」(ダージリンでは、Green Flayと呼ばれています。)を見せてくれるというのでグムテの茶畑でこの棒を使って茶樹をすこし揺すってくれました。
オーナーのMr.Kumar さんと マネージャーと3人で写真を撮ろうと苦労して撮影を試みましたが残念ながらカメラには写りませんでした。

ビデオテープには茶樹を揺するとき、飛び回るウンカの姿が映っているだけでちゃんと止まって形が確認できる写真は残念ながら撮れていません。



お茶の芽を日干倭凋
朝、摘んだお茶の芽を工場の前のところでウーロン茶にするため屋外で日干倭凋しています。

ここがダージリンの紅茶を作るのと違います。
台湾とは作り方は違いますが共通の香りがありとても香りの香しいお茶が出来上がりました。香りは東方美人よく似ていますが、ダージリンのお茶独特の後口が残ります。

このお茶は、ダージリンと東方美人の両方の共通点がうまく生かされウーロン茶好きな方もダージリン好きなかたも楽しめる新しいお茶だと思います。自然の力はすごいですね!!



グムテ茶園のアムリット
インド、ダージリン産 ”AMRIT / アムリット”(ウーロン茶)が、グムテ茶園で作られました。

色々な茶園でウーロン茶は作られていますが、セカンドフラッシュの時期に贅沢にもウンカ芽で作るのは珍しいと思います。 台湾の「東方美人」の話では英国女王が「Oriental Beauty」と絶賛してこの名前を付けられ、台湾でこれを漢字で表現して「東方美人」と名付けられました。台湾では蜜のような、蘭のような香りと言われ、
世界三代銘茶といわれるダージリンのセカンド・フラッシュは、マスカテルフレーバーと呼ばれています。同じような香りを持つ2つのお茶が特に大好きな私の「ウンカ」が結ぶダージリン・アムリットのお茶の旅でした。



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