■ 第二十一回 ’05 春のインド ダージリンの旅 V ファクトリー&クッキング編
今回は、もちろんお茶の旅ですので紅茶の作り方を全部見学しました。
普通茶園に泊まらないと夜中の工程などは見れないので皆さん熱心に早起きです。前回お話しました、茶摘、揉捻の後をご報告します。
バトラーにお世話になる旅とサブタイトルがつけてあるように英国時代の名残のように食事のときにバトラーのバンドゥさんが料理を毎回着席した席の横に来てサーヴするフードを持って立たれます。自分でいる量だけ自分でお皿に運びます。映画の中のようです。100年続くこのハウスにお父さんがアショックさんのファミリーが持ち主になられる前の英国人時代から働いていられたようでバンドゥさんもアショックさんのお父さんの時代からは勤めていられます。仕事に対するルールがとっても英国的で歴史を感じます。
|
ローリングマシーン(揉捻機) |
まずはファクトリーの見学の続きから。
昨日摘まれた茶葉は、12〜時間(時には15時間以上)萎凋されローリングマシーン(揉捻機)にいれて揉捻します。これにより茶葉から茶汁が出てきます。これに空気がふれて葉のなかの発酵酵素が働きます。
茶葉の分量や摘まれた状態で上からの圧力の強さが違うそうです。通常25分前後を2回、1回だけのときもあるそうです。
|
玉解の様子 |
ローリング(揉捻)の後、このように玉解をします。
乾燥するまでに茶葉の状態を均等にそろえて同じ状態にします。
塊があるのを均等に火が入りようにほぐします。これをすることにより、火の通りが悪く生臭かったり、火が通り過ぎほうじ茶の様に香ばしかったりしないように均一化させます。これを2-2.5時間発酵させます。
|
今回旅の参加者の中で最年長の方です。 |
楽しそうに玉解した茶葉の中にある大きな茶葉や発酵がすすんでない茶葉を選りすぐり作業みてご自分でも思わず作業を始められました。
このようにファクトリー(製茶工場)では、色々な作業工程で丁寧に作業をするからこそ、美味しい紅茶ができあがります!
この方に私が、冗談でこの茶園で製茶の修行しますか?というと『ここにいようかしら!』と作業が大変気に入られたようです。80(才)の手習いでしょうか?
その後乾燥機に入れて、乾燥した後7−8のグレード(サイズわけ)に分けて梱包します。この工場ではそこまであとはカルカッタに送り出します。そしてカルカッタで見学したオークションなどにかけられて世界中に送られ皆さんの手元に来るわけです。
|
グムテとマスカテルバレイの茶畑 |
この工場で作られる紅茶の茶葉は、こんなに広くていろいろな方向に斜面があるグムテとマスカテルバレイの茶畑から摘まれます。
真ん中に見えるのがジャンパナ茶園で、グムテ茶園の東にあります。ファクトリーから左手に歩いてゆくと丁度アルファベットのCの形のところにジャンパナがあります。
グムテとジャンパナはファミリーカンパニーです。このジャンパナの上のほうにジャンパナアッパーとグムテのオーガニックのマスカテルバレーの茶園があります。
|
ゲストハウスの調理人 |
私たちの食事を毎食作ってくれます。このときはアショックさんの奥様がレクチャーしてくださったのでヘルプで説明されたことを実際に彼が表現してくれます。大変シンプルで調理器具もほんの数点で毎日いろいろな料理が作られキッチンをみていると彼のマジックのようです。
炒め物や煮物は、炭火でお料理します。しかし日本でよ食べているカレーは何時間も炊き続け、1日2日たったほうがなじんで美味しいからと多い目に作って寝かせておいたりしますよね!?
しかしアッサムのときもダージリンも野菜などを煮たスープのようなものを作っておき、鍋に油とスパイスをいれて軽く炒りつけ野菜を入れてゆき、スープを入れスパイスや塩で味を調え盛り付けます。ちょっと中華のようですね!一言で皆さんインドはカレーのイメージがあると思いますが、炒め物風、ポタージュスープ風、シチュー風とタイプは色々な上にスパイスも香り中心のもの、スパイシーなもの大変からいものと、さまざまです。
タンドールとは違いますが、このようなチャコールの火をつかって何でも料理します。
炒め物は手のついたちょっと深めの中華鍋のようなものや(上の写真)、このコメ粉で作る UPON(お好み焼きのようなもの)、平らなパン、チャパティなどはこのような鉄板のような調理器具を使って焼きます。今回教えていただいた蒸パンのようなものは圧力鍋で蒸すので火力が必要なためガスコンロを使いました。このほかに私の大好きなパコラ(ヒヨコ豆の粉を使った天ぷら)は油で揚げますがこれもこの炭でガスではありません。考えれば日本も昔は七輪で調理をしたり、京都では『おくどさん』とよばれている薪の炊きくちのある火元がありました。今でも中国の茶農家では使っています。(碧螺春の旅参考)
電子レンジも便利ですが、こんなシンプルな道具でお料理楽しいですよ!
|
アショックさんの奥さん |
今回の旅は馬可波羅のためにカルカッタからアショックさんの奥さんがわざわざ私たちのレクチャーのためにきてくださいました。
昨年私が6月にカルカッタのご自宅に泊めていただいたとき、夕食、朝食ともにあまりにも美味しい食事に驚きました。インド、スリランカでご馳走になっても今までベジタリアンフードにこんなに味のバラエティがあると思っていませんでした。そこでアショックさんの奥様に次回ぜひお料理を教えてくださいとお願いしたら、代わりに私に日本茶の入れ方を教えてほしいとのことでした。今回その約束をアショックさんが覚えていてくださり同行してダージリンまできてレクチャーを開いてくださることになりました。
|
おいし〜い! |
レクチャーが終わり、アショックさんもサーヴィスに食堂に!
人数が少ないときはバトラーのバンドゥがサービスしてくれますが今回は10名でしたのでバッフェスタイルで自分で好きな量だけお皿に入れて昼食をいただきました。
この昼食は大変美味しく野菜が嫌いな方も気にならないほど日本の感覚のヴェジタリアンフードとは違います。食事のあとのインドのスイーツと出来立てダージリンは究極の贅沢でちょっとしばらく癖になり毎シーズン茶畑通いしそうですよ!
|
彩りもとってもきれいでしょ!! |
さてクッキングレクチャーで習った料理が出来上がりです。南インド料理のベジタリアンフードです。
一番上の蒸パンのようなものを隣のダル(豆)の辛くないカレーにつけながらいただきます。教えていただいたお料理はなかなか日本ではいただけないタイプで皆さんたくさんお代わりして楽しいクッキングレクチャーと試食会をかねた昼食でした。
次回は、英国時代の名残のダージリンの街と世界文化遺産になっているトイトレインに乗ったご報告です。
http://www.darjeelingteas.com/visit.htm
このアドレスにGoomtee Tea resort が紹介されています。個人でダージリンに旅行されたい方は直接コンタクトとっていただけます。もし直接は不安と思われる方は、メランジェにご相談くださればアレンジもさせていただけます。一度Goomtee茶園のHPへ!
|『お茶の旅』CONTENTSページへ|
|